
祭り呼ばれには欠かせない ひねずし
能登の祭りでは「よばれ」と呼ばれる、宴会をします。
お世話になっている方、友人、親戚など、年も職業も違う人たちが、年に一度顔を合わせ盃を交わします。ふらっとでは、伝統的な、田舎料理で客人をもてなします。以前は御膳でよばれをする家がほとんどでしたが、今では、テーブルでオードブルを注文しと簡素化されているのが現状です。そんな中でも、いまだにスーパーに行くとこの時期には「ひねずし」が売り出されます。うちではもちろん自家製で作ります。春にあじの目玉をとって、山椒や唐辛子とご飯で漬け3ヶ月ぐらいで食べごろです。玉村豊男さんに「海のチーズ」とよばれたひねずしは、甘みと酸味のバランスがよく、爽やかな味わいです。これは寿司の原型と言われる熟鮓の一種ですが、現在の寿司はこの乳酸発酵によるこの甘酸っぱさを真似るのに、酢や砂糖を入れて酢飯を作ります。各家庭によって、いや、年によって、味も風味も全く違うどきどきの発酵食です。